カバーを聴く - Nothing Compares 2 U –

音楽を恣意的にジャンル分けすることに、大きな意味はないと僕は思っています。
クラシックも大好きだしJAZZもROCKも聴くし、ワールド・ミュージックも、八代亜紀さんだって大好き。聴いてて気持ちよければそれが僕にとっての『音楽』で、ジャンルなんてどうでもいいことです。

意識して聴かないのは、JPOPとか呼ばれてるゴミと、和製HIP HOP。
あとはデス・メタルくらいかな。
JPOPとかいうのは言わずもがなだし、和製HIP HOPというのも僕の耳にはギャグにしか聞こえない。デス・メタルについては、さすがにうるさい、頭が痛くなる。

で、しいて分別しようとするとき、『オリジナル』と『カバー』というカテゴライズはあるような気がするのです。

オリジナルよりもカバーで有名になった曲。
てっきり〇〇の曲だとばかり思っていたら、全然別の人の曲だった。
オリジナルが大ヒットして、その次代の代名詞的な曲となり時代を越えて数々のミュージシャンにカバーされるというパターンもあります。

僕はこのカバー曲を聴くのが好きなのです。
オリジナルと聞き分けて楽しんだり、何気にラジオから流れてきた曲が「あっ。これは〇〇のカバーだなっ」て気づいたりするのが楽しい。

ということで、そんなカバー曲をあれこれ、ポチポチと紹介してみようかなと思い立った次第でありまする。

記念すべき(??)第一回目は…
Nothing Compares 2 U

はぁ。プリンスが逝っちまって、この四月二十一日で丸一年になるんですね。
何よりも、誰よりも驚いたミュージシャンの死でした。
デヴィッド・ボウイから、立て続けだったのでよりショックが大きかったのを思いだします。

でも、初めてこの曲を聴いたのはコッチでした。

まさに爆発的なヒットでしたよね。
曲も、そしてSinead o’ Connor(シネイド・オコナー)のこともこれで初めてしりました。
今ググってみたら1990年の彼女のアルバム『I Do Not Want What I Haven’t Got』に収録されていて、シングルカットされたそうです。
当時はもちろん、その後十年くらいはこの曲がカバーだったなんて、ましてやプリンスのカバーだったなんてしりませんでした。

そして、この頃のシネイド・オコナーは何よりも美しかった。生い立ちがそうなのか、薄幸な感じの神経質そうな美しさだった。
このときはまだ、実際の彼女は非常に攻撃的で、特にカトリック的な古い因習や価値観、性差別、女性・児童虐待などに対しては多重人格なのかと思えるほどガラッと人が変わり、激情して激しく罵るということもしらなかった。
アメリカ的に開放された美しさとは対局の、自制されたシャイな美しさだった。
ただ、ヴェネチアの大理石彫像のように冷たく美しかった。

じゃ、Princeのオリジナルも聴いてみようか…

ん〜ん。やっぱカッコイイ。Prince節っすよね。
これはもう、どっちがどうとか、甲乙つけがたいです。

プリンス版の方は1985年頃のアルバムには収録したけど、話題にもならず、シネイドのヒットまではお蔵入りとなっていたという。
シネイドのヒット以来、プリンスもセルフカバーしてステージでもよく演奏されていたそうです。
僕の持っているベスト盤の『The Hits/The B-Sides』にもライブバージョンで収録されています。

そして、シネイドの世界的なヒット以来、まあ様々なミュージシャンがこの曲をカバーしています。
全然知らない人、おやっ? と思うような有名ミュージシャン、中程度のミュージシャンと本当に沢山のカバーがあります。
日本の人もカバーしてるらしいけど、それは無視。

で、この人のを聴いてみませう

大御所。アレサ・フランクリン。
これはこれで、まるっきりアレンジもテンポも変えてしまって、別の楽曲のようです。
クレジットで見ると、2014年の録音らしいので、病気してカンバックしてからの録音になりますかね。
いいんだけどな…
何かが少し足りないような気もしますね。
往年のアレサ・フランクリンを知っている者としては、塩っけというのか、脂身が少し足りない感じがしてしまうのはなぜなのだろう。

背脂は多め、麺はバリカタでってお願いしたいような感じがしますです。

そして、そして、最後はこのカバー

そう、ジミー・スコット。
もうサブイボ(←鳥肌のことね…)ものです。
言われなければプリンスのカバーとは分からないほどに、自分のテリトリーに引っ張り込んでいます。
完全にジミー・スコットの世界観になっちゃっています。
いやー、ほんとに凄いカバーです。

このカバー・バージョンのことをしらなくても、ラジオから流れてきたら「おっ。ジミー・スコットだ」って直ぐに分かりますもんね。
個性ってこういうことを言うんでしょうね。

とても残念なことに、この人も2014年に鬼籍に入ってしまわれました。

さて、こんな感じで僕な好きなカバー曲を時々アップしていきたいと思っています。
次回まで…

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする